広告運用という仕事をしていると、文章を書くという場面が何度もあります。
クライアントに対してのメールや、広告の文章、報告レポートなど。アフィリエイトをやっていたときは記事も書いていました。
仕事上での文章は、強く「わかりやすさ」を求められていると感じます。Web上の文章の多くは、文章を読むことが目的ではなく、その内容を知るための手段であるため、もちろんわかりやすいほうがいいとも思います。
特にWeb広告、Webマーケティングには「小難しそう」というイメージがどうしても付きまといます。
多少なりとも知っている人が知らない人に何かを説明するなら、できるだけ噛み砕いた方がいい、という意見を否定はしません。
ただ、物事には限度があると、最近特に思うのです。
専門用語というのは(基本的には)毎回の面倒な説明を省くための共通認識なのだから、それをいちいち書き下していたら文章が際限なく長く、よくわからないものになってしまう。
僕の文章力が足りないのもあるとは思いますが。。
ユーザーの読解力を低く見積りすぎる

簡単にわかりやすく、というのが正解のように言われ続けているように思います。
僕は最近仕事で「Webマーケティング・広告運用」に関する記事を書くことになリました。しかも「Webマーケティング」という単語を使用せずに書け、とのこと。
自分で書いていて改めて意味がわからないな。
なぜか?
「リテラシーがない人向けの記事だから、Webマーケティングと言ってもわからない」からだそうです。。
先ほども述べたように、用語を安易に簡単にしようとすると説明が長く、わかりづらくなるし、そもそも将来顧客となるであろう読者(潜在顧客)のことを馬鹿にしている考え方だと感じました。
Web上に公開する記事なのだから、見にくる人はスマホやPCを使用するため、最低限のリテラシーはあると考えてもいいのではないでしょうか。
その上、仮にWebマーケティングという単語を知らなかったとしても「Web」と「マーケティング」という単語のもつ概念はわかるはず。
ならばその2つを足した「Webマーケティング」の意味も(説明できなくとも)大体は把握できると思うのは、僕の楽観が過ぎるでしょうか?
そんなことはないと思います。
だから先ほどの「リテラシーがない人向けの記事だから、Webマーケティングと言ってもわからない」という懸念はほとんど的外れと言っていいでしょう。
そういった的外れの簡単さ、わかりやすさに沿ったコンテンツは、書くのも読むのも難しい、わけではないけど面倒で、無意味なことではないでしょうか?
概念を「ひらく」ということ

「かの女は田なか道のと中で自てん車を止めた」
小学校中学年くらいだと、習っている漢字の関係で熟語のうちの一語がひらいている(ひらがなになっている)ことがありませんでしたか?
僕はこんな感じの文章がまったく読めず、先生に「となか」ってなんですか?と聞いて笑われた記憶があります。
上記の文章は「彼女は田舎道の途中で自転車を止めた」という文章より簡単ではあるでしょう。
けれどわかりやすいとは言えないと思います。僕は多分今でも「となか」って読んでしまう。
漢字をひらがなにひらくことと、概念を「ひらく」ことは別の問題であることは重々承知しているますが、しかし読みづらさという点では似たようなものを感じます。
あと見下されているような違和感と。
コンテンツの提示側が思っているほど、ユーザーや読み手は馬鹿じゃない。そう思っています。
勘違いの原因は?

原因はたぶん、制作側が思っているほどユーザーがそのコンテンツに興味がない、ということを受け入れられないからではないか?と考えています。
頑張って作ったものを出しても、反応が悪い
面白いと思ったコンテンツや企画が滑る
綺麗でお洒落なデザインにしても成約しない
そういったことが続けば、作り手は「ユーザーが馬鹿だから良さがわからないのだ。馬鹿に合わせて簡単でわかりやすいコンテンツを量産しよう」となるのではないでしょうか?
意識的にしろ無意識的にしろ、ユーザーを下に見る思考を変えないと、将来は冗談抜きで「さいきんはみんなかんじよめないからできるだけひらがなでかいてね」とか言い出しかねないと本気で心配になる最近です。。
HarukaMaeda
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